Responding to Covid-19 — A Once-in-a-Century Pandemic? -Bill Gates- 日本語訳サマリー

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前回の論文を読んだ後にThe New England Journal of Medicine を眺めていると、とある論文を発見。これまた、Covid-19関連でまともなこと書いてんなーと思って流し読んだ後、所属と作者を調べると、やけにサッパリした所属にFrom the Bill and Melinda Gates Foundation, Seattle, Bill Gatesと書いてありました。

Windowsの産みの親のあのビルゲイツです。マジびっくり。ビルレベルになると、The New England Journal of Medicineが頼んで書いてもらうレベルww

冗談はさておき、Bill Gatesは財団を作り私財を投じて様々な世界を良くする活動をやっています。Netflixのこの番組とかが詳しいです。今回の論文の内容も、リーダーがCovid-19に対してどのように対応すべきなのかについての提言となっています(NEJMを読んでいる層を鑑みてなのでしょう)。わりと感動的な内容だったので、雑にサマライズしました。前回同様、読める人は原文を読んでください。訳の間違いご指摘をお待ちしております。

第1-3パラグラフ overview
・リーダーはいつも2つの重要な責任がある、それは現在の差し迫った問題を解決することと、同じことが2度と起らないようにすること。今回の問題も一緒。今命の危機を救うこと、アウトブレイクを防ぐこと。
・一つ目の問題は差し迫ったものであるが、2番目の問題は長期的な問題となりうる。

.そもそも、感染症、公衆衛生の専門家は1918年のインフルエンザの大流行のようなパンデミックは必ずまた起こると予測していた。

・Covid-19はこの100年に一度の病原体になる可能性がある。

第4-5 パラグラフ Covid-19について
・Covid-19の症状と感染力について。この辺は、Anthony S. Fauci先生の前回の論文と丸かぶりかつ前回の論文の方が詳しいのでそっちを読んでください。

第6-7パラグラフ 国や政府や公衆衛生機関ができることその1
・国や政府や公衆衛生期間はウイルスの拡散を遅らせるために、様々な措置をとることができる。
・それは自国の市民に対してのみではない。
・例えば、low- and middle-income countries (LMICs、低中所得国)の支援を行うことでウイルスの拡散を防ぐことができる。
・低中所得国の医療システムはいつも限界いっぱいで回しているので、ここにパンデミックが来るとパンクしてしまう(ここだけ少しわかりにくいので注釈入れます。今回のCovid-19は適切な保存的治療を行えば、死亡率は高くないっぽいです。が、一気に患者さんが増えると医療側のキャパを超えてしまって、患者さんに治療が行き届かなくなり(例えば物理的に人工呼吸器が足りないとか)一気に状態が悪化する可能性があります。ので、患者の数を減らすというか、ならすというか、一定の数の範囲内に治めることが大事になるのです)。
・これを行うことで人命救助になるだけでなく、世界的なパンデミックを防ぐことができる。
・まず自国民をという気持ちはわからんでもないが、その自然な要求に従うとえらいことになる。
・なんで、Melindaと私(Bill)がやった支援も主に低中所得国にフォーカスしています(日本円で100億円以上。すげー)。

第8-18パラグラフ 国や政府や公衆衛生機関ができることその2 もう少し具体的に
・まずワクチンの研究を加速することが必要
・科学者は既にいくつかのワクチンの候補ができているし、臨床試験に進めそうなものもある(前回の論文参照)。
・機械学習を使って、既存の薬が効果的なのか効果的にスクリーニングできるかも。
・加えて、重要なのは今後の危機に備えて大胆なシステムの変更が必要。
・低中所得国のプライマリヘルスケアシステムの強化を含めた支援は不可欠。これは、新たな病気のモニターを行うことで、アウトブレイクを警鐘を鳴らすことができる。
・また、国の垣根を超えてデータベースを作成し、そのデータベースにアクセスすることができるようようにするシステムの構築が必要。
・また、安全で効果的なワクチンと抗ウイルス薬の作成を促すシステムの開発が必要。この開発には様々な障害があるが、きっと克服できる。
・ワクチン作成には二つの方法がある。昔ながらのタンパク質製造方法と、核酸ベースのものです。それぞれに利点があり、迅速な作成のためにはcahllengeがある。
・このためにも国際的な協力とデータ共有が不可欠。大規模臨床試験には国境を越えることが不可欠。
・あとお金が必要。Phase3(マジで使える薬だと証明する最後の臨床試験)を完了するのに数十億ドルのお金が必要。システムにはさらにお金が必要。
・パンデミックに対する抗ウイルス薬、ワクチンの開発、システムの開発はリスクの高い投資になるので政府の資金が必要。
・数十億ドルのお金は多額のお金であることは間違いない。けれども、人々の生活だけでなく、サプライチェーンと、株式市場を守ることを考えれば安いもんです。

第19-最終パラグラフ まとめ
・最後に大事なことは、効果的な抗ウイルス薬、ワクチンを開発できた場合もそれを単純に最高入札者に販売するような愚を犯してはならないということです。
・最も必要としている人々の為に、手ごろな価格で販売すべきです。
・それは、行として正しいだけではなく、感染の拡大を抑え、将来のパンデミックを防ぐ正しい戦略でもある。
・リーダーが取るべき行動は以上です。時間はない。

僕はこの論文を読んで感動しました。我々は目の前に危機が訪れると恐怖のあまり、近視眼的になり間違った行動をしがちです。今回であれば、封じ込めは行うが平常時以上に国際間、官民間の協力は行う。矛盾しているように思えますが、求められるのはそんな対応のはずです。現実は必ずしもそうはなっていないのが残念ですが。

では、どうすればこのような過ちを正し、長期的に考えて正しいことをする為にはどうすれば良いのか?端的に言えば、Billのように少し落ち着いて遠くを見れば良いのではないかと思います。自国のことではなく、他国のことを考える。今ではなく、少し先のことを考える。自分ではなく、他人のことを考える。難しいですが、混乱にある時こそこうすべきなのでしょう。

100年後また、似たようなアウトブレイクが起こった時(起こりそうになったとき)に、「100年前のヤツらも当時にしては頑張ったよねー」と言われるような行動を取りたいなと思いました。

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